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僕は次の週の月曜日、阪急岡本駅近くのマクドナルドの前に立っていた。5時までにはまだ30分ほどあった。僕はすぐそばにある本屋に入り、“メンズノンノ”と“ファインボーイズ”を眺めた。僕はクラスの中では割りと服に金をかけるほうであった。制服がなくなってからは毎日私服だったから、同じ服を毎日着ていく訳にはいかなかった。親も僕の体裁に関してはうるさい方だったから、よく神戸の大丸に僕を連れて行き少し高めの服を買った。たまに着るのが嫌な服もあったが大嫌いというのではなかったので、素直に僕は親が買った服を着ていた。今日はダンガリーのシャツにベージュのカーディガンを合わせ濃い茶色のチノパンを履き、茶色のローファーを合わせていた。前に3人で会った時にはスエットにジーンズ、白いスニーカーだったからそれに比べれば少しシックになっていた。メンズノンノとファインボーイズはそういった格好が悪くないことを示していた。
僕は4時55分にその本屋を出て“マック”に帰った。そして僕は彼女がカウンターに出てくるのを待った。僕の心臓はいつもより早いピッチで鼓動していた。僕は今日一日彼女に何て話していいかをずっと考えていた。それは“あー”でも“いー”でもなく極めて具体的な言葉だった。僕はそれをもう一度心の中で確認した。そしてそれを2回くらい復唱し終わった時に彼女が店の奥から出てきた、いや出てきたんだと思う。あまりに彼女はマックの制服になじんでおり、マックにおける商業的な笑顔を見せていたので彼女が彼女であることに気づかずにいた。それは彼女がこっちを向きそのマック的な笑顔をくずしたことによって、彼女があの彼女であることが分かったのだ。
「いらっしゃいませ!」
彼女は僕と初めて会った時に見せた笑顔で、僕の方を見てそう言った。僕は何かの紐に引っ張られるようにして彼女の前に立った。
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